鉄道大臣・商工大臣・企画院総裁に陳情した際に渡した昭和16年12月8日付の陳情書
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鉄道大臣・商工大臣・企画院総裁に陳情した際に渡した昭和16年12月8日付の陳情書
「陳情書」
一 函館市より渡島國松前郡松前町に至る鐡道を速かに開通せられ同町より沿岸
町村を經由し江差線上の國驛に至る區間の鐡道を敷設せられんことを請ふ
理由
一 函館市より松前郡松前町に至る鐡道は軍事上現下の國際情勢上忽諸に阻し得
ざるものと存ぜられ又北海道南部資源開發上重要なる使命を有する線として
起工せられ松前郡碁盤坂驛に至る六十五キロメートルの區間は既に開通せら
れ同驛より松前郡s村を經て吉岡村に至る十六キロメートルの區間は工事
竣功軌條を延長し近く開通せらるる趣にして吉岡村より松前町に至る四里の
區間は目下土木工事中の處全線の開通を速やかにせられ沿線に無限に埋蔵す
る水産鑛産等の生産拡充をなさしめられ度
二 松前町より海岸に沿へ松前郡小島村大島村を經て桧山郡上の國村に至り江差
線上ノ國驛に至る十六里の區間は滿俺其の他鑛物豊富にして無限に埋蔵せら
るるも陸運の便なき爲開發遅々として進まず此の區間は渡島半島の北西に位
する爲海上荒天の日多く良港なき爲多量の鑛産物を船舶に依り輸送すること
は能はず数多の鑛山着業せられつつありと雖も輸送機関なき爲時局下重要資
源の掘鑿の儘空しく山元に堆積するの止なき現況に在り眞に遺憾に堪えざる
處なるを以って速やかに本區間の鐡道を敷設せられ鑛産水産及農林畜産等の
開發増産を促進し國家總力戰に對應せしむる様何分御高慮を仰ぎ度右及陳情
候也
s村長 劔 地 作太郎
吉岡村長 宇 野 與三五郎
大澤村長 小野寺 金 助
松前町長 大 島 東洋平
小島村長 齋 藤 照 蔵
大島村長 山 本 勇 作
上ノ国村長 栗 田 子 誠
松前町史通説編第二巻 P1066
*一部変換不可能な漢字は現在の字を用いています。
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